現在EDに対する治療は、その原因によりアプローチが異なってきます。原因の中に器質性EDの要素がある場合は、原因となる疾患の対策を行うことが重要となります。高血圧や糖尿病などの生活習慣病による器質的EDの場合は、生活習慣を見直し、治療を行うことでEDをそれ以上進行させないことにつながります。

EDについて

EDは、Erectile Dysfunction:勃起障害、勃起不全と表現され、性的な刺激があっても勃起が十分でない、勃起機能の低下を意味します。専門的には、「性交時に十分な勃起やその維持ができないため、満足な性交が行えない状態」と定義されます。

EDで悩む人は非常に多く、日本では推定で1100万人の成人男性がEDによる悩みをもっているとされています。別の調査では成人男性の4人に1人がEDによる症状があり、軽度のEDを含めると成人男性の約半数がEDによる何らかの症状を抱えているとされています。

通常、性的な刺激を受けると脳内の性的興奮が神経を伝わって陰茎の海綿体の血流を増やす作用が起こり、海綿体に流れ込む動脈が拡張することで血液の流入が増加して勃起が起こります。
性的刺激を感じること、性的興奮が陰茎に伝達されること、陰茎の動脈の拡張により海綿体の血流がふえること。この3つの条件が勃起を起こすには不可欠となり、1つでもうまく作用しないとEDの症状を認めることになります。

EDの原因

  • 心因性ED:身体的な不調は認めないが、精神的ストレスや緊張といった要因によるものや、うつ病などの精神疾患に伴うものが分類されます。
  • 器質性ED:勃起に関与する神経の障害や血管の動脈硬化の進行、陰茎そのものの障害などによるもの。
  • 薬剤性ED:別の疾患の治療薬の内服が原因で引き起こされるもの。降圧剤や抗うつ薬や向精神病薬などの精神神経薬、ホルモン剤などが代表的な薬剤性EDになりやすい薬です。
  • 複合型ED:心因性や器質性の要因が複合しておこるもの。

症状の程度

  • 軽度ED:通常は性交渉に十分な勃起が得られ、維持できる。
  • 中等度ED:時々、性交渉に十分な勃起が得られず、持続できないことがある。
  • 完全型ED:性交渉に必要な勃起が全く得られない。

EDの治療

現在EDに対する治療は、その原因によりアプローチが異なってきます。
原因の中に器質性EDの要素がある場合は、原因となる疾患の対策を行うことが重要となります。高血圧や糖尿病などの生活習慣病による器質的EDの場合は、生活習慣を見直し、治療を行うことでEDをそれ以上進行させないことにつながります。
心因性のEDの場合は、何度か治療薬を用いることで性交渉への自信を回復することができれば治療が不要となることもありますが、ストレスの原因となるものを取り除くアプローチが重要となります。
EDの原因への対策を行うことに併せて、内服薬の状況や健康状態などに問題がなければ、たいていの場合は内服薬の使用から始めて効果を判断していくことになります。

治療薬について

日本で認可されている薬の主成分は、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルの3種類です。
いずれも高い有効性(80%以上)が示されており、副作用については比較的軽度のもの(顔のほてり、頭痛、消化不良など)を認めることがありますが、重篤な副作用はほとんどないことがわかっています。
注意しないといけない点は、狭心症や心筋梗塞などの循環器疾患に対する治療などで硝酸薬やNO供与薬を使用している場合は、上記の3種類の薬を服用できない点です。
また、アレルギーや重度の肝機能障害のある方も服用できないことがあります。

  • シルデナフィル
    世界で最初に開発されたED治療薬であり、日本では1999年に認可されています。
    ・用法:1日1回1錠(25-50mg)を性行為の約1時間前に服用。24時間以内の連続服用不可
    ・作用までの時間:1時間程度(空腹時)
    ・効果の持続時間:4-5時間程度
    ・可能性のある副作用:全身や顔のほてり、軽い頭痛、軽いめまい、動機、目の充血など
    ・併用禁忌薬:硝酸剤全般、塩酸アミオダロン塩酸塩錠など
  • バルデナフィル
    2003年にドイツで発売され、日本では2004年に認可されたED治療薬です。

    ・用法:1日1回1錠(5-20mg)を性行為の薬1時間前に服用。24時間以内の連続服用不可
    ・作用までの時間:早ければ15分程度(空腹時)
    ・効果の持続時間:10mgで5-6時間程度、20mgで8-10時間程度
    ・可能性のある副作用:シルデナフィルと同様。20mgはシルデナフィルよりも効き目が強い分、副作用は若干強めの傾向
    ・併用禁忌薬:硝酸剤全般、抗ウイルス薬(HIV治療薬)、抗真菌薬、抗不整脈薬など
  • タダラフィル
    2003年にアメリカで発売され、日本では2007年に認可されたED治療薬です。
    ・用法:1日1回1錠(5-20mg)を性行為の約1時間前に服用。24時間以内の連続服用不可
    ・作用までの時間:1時間程度(食事の影響ほとんどなし)
    ・効果の持続時間:10mgで20-24時間、20mgで30-36時間程度
    ・可能性のある副作用:シルデナフィル、バルデナフィルと同様。効果が多少マイルドであるため副作用も弱めの傾向
    ・併用禁忌薬:硝酸剤全般

タダラフィルの特徴

当院ではタダラフィルのジェネリック薬を採用し、処方しています。

ここではタダラフィルの特徴をまとめます。

タダラフィルはシルデナフィル、バルデナフィルに続く第3のED治療薬です。シルデナフィルやバルデナフィルと同様に薬価のない薬価基準未収載の薬に分類されます。よって、医療機関を受診、処方されても診察料を含めて治療費は全額自費となり、保険診療は適用されません。

タダラフィルの最大の特徴は、効果が最大36時間持続するため、服用のタイミングを考える必要がなく、効果時間内に行為を行わなければといった精神的プレッシャーを感じる必要もありません。また、高脂肪食であっても食事の影響を受けにくいとされています。

服用方法と注意点
性行為の約1時間前までに水で服用しましょう。お茶や清涼飲料水で服用しても問題ありません。
グレープフルーツジュースで服用すると代謝が遅れて効果が強く出すぎてしまう可能性や、副作用を誘発する可能性もあるため、グレープフルーツジュースでの服用は避けてください。
適度な飲酒は問題ありませんが、アルコールを摂取しすぎると効果が弱くなることがあるため飲みすぎには注意しましょう。
タダラフィルはシルデナフィルやバルデナフィルと異なり食事の影響がほとんどないとされていますが、実際には空腹時の服用の方が効果を感じられる方もいらっしゃるようです。効果が弱いと感じられる場合は、空腹時の服用をお試しください。服用後1時間程経過すれば食事をされても問題ありません。
タダラフィルは、全身や顔のほてり、頭痛、目の充血といった副作用が、シルデナフィルやバルデナフィルと比較して少ない分、効果も比較的マイルドであるとされています。このような副作用は誰にでも起こりうる軽度の症状ですので、あまり気にせず、効き始めている証拠であるというように思っていただければと考えます。

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